胃潰瘍はピロリ菌が引き起こす
胃潰瘍はストレス・たばことは無関係
ピロリ菌が発見されてから、わずか30年ですが現在の定説として「胃炎や胃潰瘍の原因はピロリ菌」であるということがはっきりしました。
また、ピロリ菌に感染してない人でも、特定の薬剤により胃潰瘍が起こる事もわかりました。
それはアスピリンに代表される非ステロイド性抗炎症薬という消炎鎮痛剤が原因です。
ピロリ菌に非感染で、薬も飲んでいない人が胃潰瘍が起こることはまれで、胃潰瘍の患者100人のうち1人いるかいないかです。
ストレスは原因ではない
このことは阪神淡路大震災で証明されました。
みんな凄いストレスにさらされていて、胃潰瘍の患者は発症しなかった人よりも明らかにピロリ菌の感染率が高かったのです。
アンモニアで環境改善
これはピロリに胃粘膜が傷つけられその上にストレスが加わって、発症するのでストレスだけで発症しにくいのです。
ピロリ菌は胃の中でウレアーゼという酵素を出して胃粘液中の尿素を分解し⇒アンモニアを作ります。
アンモニアはアルカリ性ですから、ピロリ菌はこれにより胃酸を中和し⇒自分が住みやすいように環境を整えています。
同時に、アンモニアは胃の粘膜を直接傷つけます。
また、ピロリ菌は胃粘膜に有害な活性酸素や毒素も作りだします。
こうした様々なピロリ菌の作用によって胃粘膜が損傷した状態がベースにあると、胃酸の刺激を受けることによって胃潰瘍が発生しやすくなるのではないかと考えられています。
年齢差
ピロリ菌の感染率は20代で10%以下、30代で15~20%ですが50代ですと50%以上に跳ね上がります。
時代差
ピロリ菌は飲み水から感染します。昔ほど衛生状態が悪かったので、年配者ほど感染率が高いのです。
今の日本では自然界ではピロリ菌は見つかりません。
胃ガンもピロリ菌
胃ガン患者の99%はピロリ感染者です。
感染者は非感染者の20~30倍のリスクがあります。食生活や遺伝によるものはごくまれなのです。
従って従来行われていた胃ガンの造影検査は意味が無いばかりか、不必要な放射線を浴びるわけですから、危険でさえあります。
新しい検査はピロリがいるか調べるのと、胃の萎縮や炎症を調べる検査に移ってきています。
ガン検診への疑問
もし皆さんの職場で、いまもって「百害あって一利なし」のバリュームを飲む検査をやっているのなら、放射線被爆を根拠にして断固拒否すべきですよ。
さもないと放射線によってガンになるリスクが、物凄く高くなります。まじめにがん検診を受けてガンになるなんて、本当にばかげています。