やせられないのはなぜ?

薬物中毒と同じ状態になっている?

痩せられない、空腹感が我慢できずに食べてしまう。なぜ?

それは、あなたがコカインや覚せい剤の中毒と同じくジャンクフードやお菓子・甘いもの・スナック菓子などの中毒状態に脳のメカニズムが陥っているからなのです。

通常私たちが美味しいものを食べると、ドーパミンなどの神経伝達物質が分泌され、満足感が得られます。その結果「もっと食べたい」と思うようになります。

ではなぜもっと思うのでしょう?

脳内でのやり取りから、もっと感

それは食べ物からエネルギーを取り込む際の調節に重要な役割を果たしている神経系の「脳内報酬系」が関係しているのです。

脳内報酬系は「快楽中枢」とも呼ばれ、自分へのご褒美を与える神経系なのです。実はコカインや覚せい剤による薬物依存症もドーパミンと言う快感をもたらす神経伝達物質に関係しています。

ドーパミンが出るからやめられない

薬物を投与するとドーパミンが分泌され、快感や満足感が得られます。このドーパミンが枯渇すると、同じ快楽を得るためにまた薬物が欲しくなります。

こうして薬物に対する依存症となるのです。

食べることに依存し中毒化する

食べ物も同じで、「もっと食べたい」という欲求が強くなりすぎると、食べ物に対する喜びがコントロールできなくなって、習慣化・依存・中毒となってしまいます。海外の大学の興味深い報告2件をのぞいて見ましょう。

ジャンクフードは行動を変える、1つ目はオーストラリアのニューサウスウェールズ大学からの報告です。

報告1:

ラットによる動物実験で、ジャンクフードは太るだけではなく、ヘルシーな食品に対する食欲減らしてしまうことを示しました。

ジャンクフードとは、脂肪、糖分、塩分は多いのに、ビタミン・ミネラルタンパク質が少ない低栄養食品のことで、たとえば甘いお菓子、スナック、ファーストフードの揚げ物や糖分の多い炭酸飲料などを総称した呼び方です。ま、いわゆる加工度が高く味、香り、色や口あたりの良さで、もっと食べたいと感じやすい食品です。

[おいしい]⇒「やめられない」とは判りやすいことですが、論文ではジャンクフードを食べ過ぎると、自制心が弱まり過食や肥満につながるとしています。なぜでしょう?

研究者が行った実験方法

始めにラットを2つのグループに分けました。

ラットの典型的なエサのみを与えれたグループ。もうひとつは、『カフェテリアダイエット』と呼ばれるグループには、典型的なエサを与えて更に人間の加工食品であるクッキー・ケーキ・餃子・ミートパイが毎日食べられます。

なお実験前のラットには、あらかじめ条件反射の訓練がされていました。

それは2つの音で、「グレープ味の砂糖水」と「チェリー味の砂糖水」を別々に与えて、音によって味の違う砂糖水を飲めることを、12日間で学習させておきました。

その結果

典型的なラットの食事で育ったグループは、食べ過ぎるとグレープ水にも、チェリー水にも音を出しても反応しなくなりました。

「腹がいっぱいだからいらないよ」

という感じでしょうかね、脳が拒否している。これは動物が生まれつき備える、健康なバランスのとれた食事を促進し食べすぎから身を守るための仕組みです。

一方『カフェテリアラット』は、通常よりも150%カロリー増で2週間で10%体重増となり、音により提供される条件反射の砂糖水を拒否することが無く、食べ物の選択に無関心になり、際限無く食べるようになりました。

しかも!健康な食生活に戻した後もしばらく続きました。研究者はジャンクフードはラットの脳内報酬系に、持続的な変化を引き起こすと考えています。

脳内報酬系は、全ての哺乳類で類似しているので、私たち人間にも当てはまることを示唆しました。際限なく食べ続ける…。

脳の再トレーニングでやせられる

2つ目の報告は、ハーバード大学やタフツ大学の研究者によるものです。

不健康な食品に依存する脳内報酬系回路が確立しても、これを元に戻せるのでは?と考え、不健康な食品への欲望と誘惑のため、体重が増加してきた人を対象に訓練してみました。

報告2:

13人の肥満成人男女の「脳内報酬系(快楽中枢)」の調査です。

8人はタフツ大の研究者の新減量プログラムで、5人はプログラムに参加しないカロリーコントロール。6ヶ月間続けられ、スタート時と終了時に脳のMRIを撮りました。

脳内に起こった変化がみられる

その結果、新減量プログラムに参加した8人の、脳内報酬系領域の画像に変化が明らかになりました。なんと健康で低カロリーの食品への感受性がまして、健康な食品を食べた時の報酬が増加して、喜びを示すようになったのです。

同時に不健康な食品の感受性は低下しました。このことから加工食品をできるだけ避けて、糖質を抑えてバランスのよい食事を続けることによって、脳が鍛えられて健康な食生活に戻ることが、十分可能であることが判ったのです。

いかがですか?

今回の検証期間は6ヶ月でしたが、外国人と日本人の違いもあるでしょうが、私たちもやってみる価値は十分に有ると、考えます。

実際にやってみれば本人には好みの変化などが実感できると思います。

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