心房細動で脳梗塞
心臓の不具合、心房細動が引き起こす脳梗塞
心臓と脳のつながり、血液が送り出せないと恐ろしい脳梗塞がある日突然襲ってくるのです。ご年配の方は特に注意が必要です。
心臓の不具合で脳梗塞
まったく違うところの心臓と脳が実は関係しあって、恐ろしい脳梗塞がある日突然襲ってくる危険性があります。それも特に高齢者はそのリスクが高い。
何が引き起こすのか?心臓の不整脈の一つ心房細動によってて起きるのです。
心房細動による不整脈は、かなり身近におこる不整脈で、年をとればとるほど起こりやすくなります。特に60歳を過ぎたら頻繁に起こる度合いが急に高くなります。
※ちなみに80歳以上では約10人に1 人は心房細動があると言われています。
突然起こるこの「心原性脳梗塞」は、同じ脳梗塞であってもアテローム血栓性脳梗塞やラクナ梗塞より5年生存率が低いという報告もあります。とても深刻です。
どうして脳梗塞になってしまうのか
メカニズムは、心房細動によって心臓が充分に血液を送り出せなくなって、心臓内に血液が滞留する、つまり溜まると血栓(血の塊)ができてしまいます。
その血栓が血管を通って脳に達すると、脳の血管がつまります。それが脳梗塞を発症するというものです。不整脈から来る心房細動は、心臓の機能の老化によって起こりますのでそれ自体の治療法は残念ながらありません。
ではどうするかというと、血液が固まりにくくなる薬を飲み続けるしかありません。
ワウファリンだけじゃない新しい抗凝固薬
血液が固まりにくくなる薬のことを、抗凝固薬(こうぎょうこやく)といいます。これまでは、ワウファリンという薬ただ一種類しかありませんでしたが、最近相次いで新薬が4種類開発されました。
ただし、新薬といっても効果はワウファリンとさほど変わりません。それでもワウファリンは納豆などやかぜ薬など使っていると、ダメなものが多くありますが新薬にはこれがほとんど無いのです。
それと、ワウファリンは個人それぞれに血液検査をして、処方しなければならず、非常に面倒な薬なのです。
これで心房細動による心筋梗塞が減るかと言うと、そうはいかない理由があるそうです。それは心房細動がほとんど認知されていないことだそうです。自分がそんな状態だと知らない人が多いということですね。
心電図をとるべき!意味は大きい
少なくとも70歳くらいからは年に一度は心電図をとって検査することが、望ましいのです。
心房細動で起こる脳梗塞は、致死率も他の原因による脳梗塞よりかなり高く、悪いことに後遺症リハビリの効果も低い厄介なものなのです。
以前の脳卒中といえばタンパク質の摂取が少なく、血管がもろくて脳出血を起こしたり、高血圧で脳梗塞を起こすものが多かったのです。けれども、最近では食生活の改善や塩分を減らすことで、減りつつあります。反面、高齢化が進むと共に新たに心臓の機能低下による心房細動で脳梗塞の発症が増えています。
※チャッズ(CHADS2)スコアが2点以上の方は要注意です。
元気に暮らしていても、心臓の不整脈から突然起こる危険は無視できません。高齢者は特に心電図をとってチェックしましょう。