歯周病と心臓疾患・脳血管疾患
血管が詰まると引き起こされる病気には、歯周病が関わっているという事実は、ふだん私たちは見過ごしてるのではないでしょうか?ほったらかしは、死に至る。恐いです!
歯周病と心臓疾患・脳血管疾患
何を言っているんだと思わないで下さい。
歯周病が悪化すると心筋梗塞や脳梗塞が起こりやすくなり、糖尿病も悪化する事がはっきりと証明されているのです。これは紛れも無い事実です。
狭心症・心筋梗塞
歯周病原因菌などの刺激により動脈硬化を誘導する物質が出て血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)が出来血液の通り道は細くなります。
プラークが剥がれて血の塊が出来ると、その場で血管が詰まったり血管の細いところで詰まります。
心臓の血管が詰まれば心筋梗塞です。
脳梗塞
脳の血管のプラークが詰まったり、頸動脈や心臓から血の塊やプラークが飛んで来て脳血管が詰まる病気です。歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になり易いと言われています。
血圧、コレステロール、中性脂肪が高めの方は、動脈疾患予防のためにも歯周病の予防や治療は、より重要となります。
歯周病は糖尿病の合併症の一つ
歯周病は以前から、糖尿病の合併症の一つと言われてきました。実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという疫学調査が複数報告されています。
さらに最近、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も明らかになってきました。つまり、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられるようになってきたのです。
歯周病治療で糖尿病も改善することも分かってきています。
歯周病菌は内毒素をまき散らす
(内毒素とは?:細菌の細胞壁に含まれる毒物。細菌が死滅しても毒は残る。エンドトキシンともいう)
歯周病菌は腫れた歯肉から容易に血管内に侵入し全身に回ります。
血管に入った細菌は体の力で死滅しますが、歯周病菌の死骸の持つ内毒素は残って、それが血糖値に悪い影響を及ぼします。
血液中の内毒素は、脂肪組織や肝臓からのTNF-α※の産生を強力に推し進めます。
※TNF-αとは、腫瘍壊死因子(しゅようえしいんし)腫瘍細胞を壊死させる作用のある物質のこと。
TNF-αは、血液中の糖分の取り込みを抑える働きもあるため、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを邪魔してしまうのです。
結果として血糖値が高いままになり、下がりにくくなるので、糖尿病を発症しやすくなります。
そして糖尿病の人は歯周病で症状が悪化し、また糖尿病が歯周病も悪化させてしまい、相互に悪影響を与えてしまいます。そして歯周病からは皆さんが考えもしなかった命にかかわる、脳梗塞や心筋梗塞が発症するのです。
歯磨きから全てが始まる
「歯」+「磨き」と言う言い方が間違いの元で、虫歯予防も正しくありません。
歯をなくす原因の殆どが歯周病の悪化によってなのです。極論すると歯茎と歯の間の隙間をキレイニしていれば、歯の表面に多少の汚れがついていても問題ないのです。(保健として)
歯茎と歯の間を丁寧に歯垢をかき出すことが絶対条件なのですよ!細かく前後に歯ブラシを動かし、45度くらいの角度であてます。歯ブラシも大きなものよりも、小さいものが良いでしょう。
三人に一人が歯周病といわれていますので、とにかく歯磨きを正しくして歯茎の健康に心がけましょう。
歯周病の予防
ご自分の歯・歯茎の状況に応じての「予防」となりますが、ここでは最低限、心がけてやるべきことをあげておきます。これ以上に専門的なことや、すでに歯周病の方は、医療機関で診てもらってから医師と相談するのが一番です。(もっと深い部分の外科手術やかみ合わせ調整や下手な治療後の修復などなど)
歯磨き:
ハブラシで歯垢を落とすことが基本です。正しい磨き方をマスターしてください。ちゃちゃっと一分二分程度では、絶対磨けてません!(苦笑)ハブラシをあてる角度も正しく保ち、丁寧にみがくくのです。
歯間ブラシやデンタルフロスでハブラシで落としにくい箇所もきれいにお掃除します。(歯間掃除は、一日一回寝る前が有効。ツルツルの歯で、口中が気持ちイイ)
※歯間ブラシは、小さ目SSSぐらいから始めて徐々に自分のサイズにあったものを探したほうが良いです。そのほうが、歯茎が傷つきにくいです。
歯石除去:
口の中の細菌というかばい菌は、バイオフィルムというの薄い膜(糖のテント)を作って歯に張り付いています。歯石がついていると、張り付きやすくなるので、定期的に歯石を取り除き、器具や超音波で物理的にこのバイオフィルムをはがしてスッキリが、一番効果的なのです。
※定期的に歯医者さんで取ってもらうのがベストですよね。
歯周病は、いとも簡単に再発する病気なので常日頃からのケアが大事なのです。メンテナンスそれが、ひいては生活習慣病である糖尿病の予防改善に役立つわけです。カラダはつながっています。