アミノ酸を考える

作れる非必須アミノ酸11種類と
食べる必須アミノ酸9種類

病気を予防するためにも、アミノ酸について、これくらいは知っておきたいので記事にしました。野菜不足だ、糖質制限だとダイエットするにも栄養素についてある程度の知識は必要です。

そもそも何?アミノ酸を考える

人間の身体は約60%が水で、その他の部位は骨を除いて全てアミノ酸の結合体のタンパク質でできています。 そして骨もカルシウムだけではだめで、アミノ酸がその形成には不可欠です。

要するに身体の主要部分を健全に保つためには、良質なタンパク質を食事で摂る事で、アミノ酸を取り入れなければならないのです。

人体に不可欠なアミノ酸は20種類で、中でも人間が体内で合成できないアミノ酸が9種類あります。これを「必須アミノ酸」といいます。少なくともこの9種類は食品から必ず摂取しなければなりません。

残りの11種類を「非必須アミノ酸」といいます。

アミノ酸の働き

非必須アミノ酸11種類

人間の身体の中で合成できるアミノ酸群です。

1.アルギニン 脳下垂体に働きかけて成長ホルモンの分泌を促進します。 成長ホルモンが不足すると筋肉が衰えたり、肌にシワができたりします。
2.グルタミン 筋肉のたんぱく質合成を助けます。
3.システイン 傷の治癒の促進、ブドウ糖の代謝、シミの原因となるメラニン色素の沈着を防ぎます。
4.チロシン 甲状腺ホルモンや、髪や皮膚の黒色色素であるメラニンの原料、神経伝達物質であるアドレナリン、ドーバーミン、ノルエピネフリンの原料となります。
5.アスパラギン アスパラギンは加水分解されるとアスパラギン酸に変化します。
6.アスパラギン酸 体内の老廃物の処理、疲労回復、肝機能の促進に効果があります。
7.セリン 皮膚の潤いを保つ天然保湿因子の主成分です。
8.アラニン 脂肪の燃焼に関わっています。
9.プロリン 脂肪の燃焼に関わっています。
10.グリシン 保湿作用、制菌作用、酸化防止作用、キレート作用があります。
11.グルタミン酸 知能を高めたり、潰瘍の治癒を早めたりします。
必須アミノ酸(9種類)

必ず食事から摂らなければならないアミノ酸です。

1.リジン 体の組織の修復や成長、抗体、ホルモン、酵素の合成、ブドウ糖の代謝や肝機能の増強、脂肪の燃焼に関わっています。穀類だけを多くとっていると不足する危険性があります。
2.トリプトファン 脳内ホルモンのメラトニンやセロトニンを増やしたり、成長ホルモンの分泌を促したりします。
3.スレオニン 成長促進、肝臓に脂肪が蓄積して脂肪肝になるのを防ぐ作用をします。
4.ヒスチジン 成長に関与、神経機能の補助、紫外線の害を防ぎます。 ヘモグロビンの材料になり、解毒作用にも関与します。
5.メチオニン 不足すると肥満の原因になります。 血液中のコレステロール値を下げたり、活性酸素を取り除いたりする作用があります。
6.フェニルアラニン 脳と神経細胞の間で信号を伝達する、神経伝達物質になる必須アミノ酸で、抑うつ症状を解消し、気分を高揚してくれます。
7.バリン 筋肉タンパク質の主成分
8.ロイシン 肝機能の増強が主な作用です。多くの食品に含まれているので不足することはまれです。筋肉タンパク質の主成分。
9.イソロイシン 筋肉タンパク質の主成分。

さて、これらのアミノ酸を、身体にとりこまなくてはいけないわけですが、バランスよく、かつ効率よく食品食材を選択せねばなりません。

アミノ酸スコアという言い方は何だろう?

ここで、登場する「アミノ酸スコア」。アミノ酸スコアとは、食品中のたんぱく質の品質の評価のことです。

たんぱく質を体内で効率よく利用されるには、必要な必須アミノ酸がバランスよく含まれている必要がありますので、それらが全て存在する場合にはスコアが最高値100となるわけです。

小麦やトウモロコシなどの植物性たんぱく質のアミノ酸スコアは低く、卵のたんぱく質などの動物性たんぱく質はアミノ酸スコアが 良好であることが知られています。

卵のたんぱく質はアミノ酸スコアが100であり、たんぱく質の中でも最もアミノ酸のバランスが良いと言われています。

精白米のアミノ酸スコアは61で、小麦のたんぱく質のアミノ酸スコアは42です。ともにリジンが、最も不足する必須アミノ酸であるということが知られていますので、スコアが低くなります。

バランスのいい食事が一番

アミノ酸は普通にバランスよく食事をしていれば、不足することはありません。肉・魚・卵・乳製品などをまんべんなく食べてください。
ただし特定のアミノ酸ばかりを、サプリで摂ったりすると免疫力の低下や、肝機能低下を引き起こす事がありますので、要注意です。

魚の絵

そして極端な菜食主義もアミノ酸が不足しますので、免疫力の低下してきます。カゼに罹りやすくなったり、全身の内臓の機能低下を起こす危険があります。

コラーゲンが美容関係の食べるサプリメントでよく見られますが、残念ながらいくら食べてもコラーゲンは消化器官の胃や腸で分解されコラーゲンというタンパク質が直接体内に取り込まれることはありませんので、いくら食べてもすぐにお肌にコラーゲンが行き渡る事はありません。あのコラーゲンぷるぷるのイメージに、女性は躍らせられているわけです。

人体はわずか20種類のアミノ酸が、複雑、多様な結びつきで多種多様なタンパク質を作り出し構成されています。
様々なアミノ酸を含む食品をバランスよく食べて、全身状態をより良く保つ事が健康と美容に一番でしょう。

血液の働きは大きい

全身に栄養と酸素を行き渡らせ、生命を維持するための血液もアミノ酸から出来ていますから、健康で元気に生活するためには血液の状態をより良く保つ事は、極めて重要です。健全な血液によってアミノ酸も肝臓から全身に運ばれて、身体を造り続けます。

さらさら血液のイメージイラスト

血液検査で最新の分析でかなりの病気が判る事も、様々な血液の成分の内容にかかわっています。まずは血液検査でしょう。

人の全身状態の縮図ともいえる血液の健康は、全身の健全性を表しているといえましょう。

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