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ハチミツが身体によいと言われ続けて、人間の歴史の中でも世界中であちこちで文献にも 記されています。ではハチミツの何が良いのでしょうか、いまだに判っていない事も多いのですが、少しでも神秘の食品ハチミツを調べてみたいと思います。


ハチミツの成分 その2

4.果糖の役割

果糖のことをフラクトースともいいます。ハチミツに含まれる果糖の量は、だいたいブドウ糖よりもやや多いのがふつうです。これは大した事がないことのようですが、実は重大な意味があります。それは同じ単糖類ですが果糖はブドウ糖と違って吸収速度が大変遅く、ブドウ糖の約半分の速度しか有りませんので、一度に多量の糖分を肝臓に送り込まないようにコントロールする働きを持っているのです。
ブドウ糖が血液によって肝臓に運ばれるとグリコーゲンに変わるのですが、もし炭水化物を余分に取りすぎて肝臓がそれをグリコーゲンにして蓄える限度を超えると、余った分は脂肪に変えられて蓄えられます。澱粉や砂糖をとり過ぎると肥満になるとといわれているのは、このメカニズムです。

ハチミツの主成分も糖分ですから、同じではないかと思われがちですが、意外なことが発見されました。それはハチミツは人体が処理できる以上に血糖値を高めないという事実です。そしてハチミツの中でこの血糖調節作用を受け持っているのが果糖だという事です。果糖の吸収速度はブドウ糖の半分というゆっくりした速度ですから、果糖は血糖が増えすぎないようにセーブしていると考えられています。

※糖尿病で糖質制限をされてる方には、ハチミツといえども摂取すれば血糖値が上昇しますので「蜂蜜なら大丈夫」とはいえません、ご注意ください。

また果糖は砂糖やブドウ糖よりもはるかに甘くて、砂糖を100とすると果糖が175でぶどう糖は74程度といわれます。おおまかにハチミツの果糖とブドウ糖の割合を40%づつと仮定しますとハチミツの甘さは砂糖の100に対して99.6となってほぼ同じということになります。なめてみるとむしろ砂糖よりも甘く感じるのは、ハチミツの甘さが複雑であるということと、液体であると言う事が関連していると推察されます。

5.ショ糖は多くても5%

ブドウ糖・果糖ともう一つハチミツにはショ糖が含まれていますが、これはそれ程有益な役割は有りません。まして消化分解されて始めてブドウ糖になるのですから、価値は低い訳です。元々の花蜜にはショ糖がたくさんふくまれていて、これをミツバチが分解してブドウ糖と果糖を主成分とするハチミツに転化するわけで、本来ショ糖などはハチミツの中に僅かしか含まれていません。

従って標準濃度に達したハチミツに含まれるショ糖はせいぜい1〜3%までで5%を越える事はめったにありませんから、もしもこれより多いようなハチミツは完熟してないか、混ぜものが有ると疑わざるを得ません。完熟していなければ水分が多くて濃度が低いのですが、この様なハチミツは未完成でまだ花蜜からしっかりとハチミツに転化していないので、ショ糖が多くてあたりまえな訳です。

6.デキストリンの存在

デキストリンも僅かに発見されますが、これもショ糖と同じく有効な役目は有りません。
デキストリンは澱粉が分解して麦芽糖(マルトース)になる前の中間物質で、麦芽糖は更に分解されてブドウ糖になりますから、デキストリンよりもブドウ糖・果糖のほうが有用性が高いのです。ハチミツに含まれるデキストリンの量はせいぜい3%どまりですが、人工的に作られたブドウ糖には大量に含まれているので、デキストリンの量が混ぜ物の有無の判断材料になる場合があります。

7.酵素

ハチミツには様々な酵素が含まれていますが、その内でも重要なのはインベルターゼ(転化酵素)です。この酵素はショ糖をブドウ糖と果糖に分解する物で、花蜜をハチミツに仕上げるのに重要な働きをします。けれども花蜜が完全にハチミツに出来上がった後ではもう用済みなのですが、標準濃度のハチミツからは検出されます。


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ハチミツの栄養と働き

食品としてのハチミツ

ハチミツのアレコレ

参考文献

ローヤルゼリー

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