痛みとプロスタグランジン
ω3系プロスタグランジンで痛み抑制
クリルオイル(オキアミ油)
海洋資源として重要視されている、ナンキョクオキアミからなるクリルオイルについていろいろ調べています。このページは痛みの物質プロスタグランジンとオメガ3系脂肪酸に注目したものです。
痛いから歩きたくないし動きたくない
クリルオイルのオメガ3脂肪酸については、心筋梗塞予防のページでも記事にしましたが、少し異なる切り口でさらに書いてみたいと思います。
リン脂質結合型のオメガ3系(n3系ともいう)クリルオイルには、血液・血管・脳機能を改善する働きがあります。
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- 血液をサラサラにして高脂血症や動脈硬化、心筋梗塞を予防・改善になる
- 肝機能が改善される
- 生殖機能の向上、回復する
- 脳の老化防止、認知症の予防になる
- 関節リュウマチや変形性関節症など 関節痛の改善される
食事や年齢、生活習慣の違いから、「痛い」と感じる状況や部位も変わってきますが、その日常の痛みについて関連するオメガ3脂肪酸の働きに注目しました。
健やかな体と心がなくて、人としてただ長生きするのでは生きてる喜びが失われます。何故なら関節の痛みで、十分に歩けなかったりすると、運動不足になり全身の機能が低下して、内臓機能も低下して新陳代謝が落ちます。
また脳の機能が低下すると記憶力が落ち、生活の質が悪くなります。そしてアルツハイマーを発症すると生活そのものが破壊されてしまいます。
「痛いから動かない→ロコモになる」という図式ですが、その痛みを緩和することでロコモティブシンドローム予防にもなり、肥満防止ひいては糖尿病の予防にもなります。
つながっているのです。
痛みを緩和改善する
年齢を重ねるとともに増えてくるのが、ひざ痛や腰痛です。その炎症を促進する「プロスタグランジン」という物質の活性を抑える作用がクリルオイルにあります。これが吸収率のたかさとあいまって関節痛に効果があるものと考えられています。
メタボやロコモティブシンドローム、脳機能障害、認知症など加齢とともに増える健康リスクに立ち向かうために、クリルオイルは極めて有効でしょう。
ここでプロスタグランジンという物質についてザックリと説明を試みますね。 (汗)
プロスタグランジン
プロスタグランジン (prostaglandin) とは、私たちの体の生理的な機能をあれこれハンドリングしている生理活性物質のひとつです。オメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸が、プログスタンジンの原料となりますが、プロスタグランジンといっても数十種類にわたり、原料の違いから三つのグループに分けられます。
- グループ1:γリノレン酸から作られる(オメガ6系脂肪酸)
- グループ2:アラキドン酸から作られる(オメガ6系脂肪酸)
- グループ3:EPAから作られる(オメガ3系脂肪酸)
プロスタグランジンの作用によって引き起こされる「痛み、熱、腫れ」などの症状が引き起こされる現象が「炎症」です。でも、プロスタグランジン単独で痛みを生じさせるのではなく、痛みを感じやすくさせる役割です。別の物質「ブラジキニン」が、知覚神経を興奮させることによって、痛みを発生させます。
プロスタグランジンは、ブラジキニンと比較して直接的な発痛作用は弱いとはいえ、ブラジキニンによる発痛を増強させます。ふたつの関わりから、「痛い」のです。 うずくのです。
※一般的に言われている「非ステロイド性消炎鎮痛薬」は、このプロスタグランジンの生成を妨げる薬です。
n3系脂肪酸とn6系脂肪酸
人間は絶妙なバランスで生きています。だからこのバランスが悪くなると、弊害が起こりやすくなるわけです。プロスタグランジンも同じで、グループ間のバランスが崩れることが問題なのです。
グループ2とグループ3のプロスタグランジンは、それぞれの働きが違います。
- 血栓を減らしたり、増やしたり
- 発ガンを抑制したり、促進したり
- 子宮を弛緩させたり、収縮させたり
- 血管を拡げたり、狭めたり
このように、まったく相反する働きをして生理作用をコントロールしています。
炎症においては、グループ3のEPA(オメガ3系脂肪酸)から炎症を抑制するプロスタグランジンが作られ、 グループ2のアラキドン酸(オメガ6系脂肪酸)からは炎症を激化させるプロスタグランジンが作られます。
さあココまでくると、もうお分かりいただけると思いますが、現代人の食生活においてオメガ3系脂肪酸の摂取量がかなり不足気味であること、オメガ6系脂肪酸の過剰摂取から引き起こされる弊害です。
オメガ6系は、コレステロール値を下げたりする効果や、アラキドン酸はアレルギー症状を改善させたりして、生活習慣病の予防にも必要な不和脂肪酸で、大豆油、コーン油、ゴマ油といった植物油に多く含まれています。植物油が多いのは、菓子やマーガリンがいい例ですね。
さらに、アラキドン酸が多く含まれ食品は、肉類・魚類・レバー・卵など動物性食品が並びます。 いかんせん、このアラキドン酸由来のω-6を摂り過ぎなのに、ω-3を摂らなさ過ぎのとてもアンバランスな食生活をおくっている人がが多いのです。
結果、「炎症を激化させるプロスタグランジン」が増えることになります。反作用のプロスタグランジンで痛みを緩和させるためには、いわしやさばなどの青魚、亜麻仁油、シソ油、エゴマ油、キャノーラ油、緑色野菜、海藻(生)、ナッツ類、そしてクリルオイルのオメガ3を頑張って摂りましょう。だからといって、一気にとりすぎないことは言うまでもありません。
オメガ3系は、血流を改善する効果(血液サラサラ)や、血管をしなやかにして血行を良くするなどの働きがありますので、冷え性緩和改善も期待できますね。
女性特有の悩みを改善する効果
クリルオイル含めて、オメガ3系脂肪酸が女性ならではの悩みにも有効です。
月経前は、訳もなくイライラしたり、なんとなく気分がへこんだりしますね。さらに化粧のノリが悪くなるなどお肌トラブルが起こります。この症状は「月経前症候群(PMS)」といわれホルモンが関連しています。さらに閉経前後の10年間でつらい思いをしている人が多い「更年期障害」もこのホルモンバランスが崩れるため起こります。
クリルオイルに含まれるリン脂質と結合するタイプのDHA・EPAなどのオメガ3系脂肪酸が、PMSの症状や、更年期障害の緩和に役立つことが臨床試験で証明されています。
魚くさいげっぷが気になっていたフィッシュオイルより、高抗酸化力で知られるアスタキサンチンも豊富に含まれている南極オキアミのクリルオイルをおすすめします。
慢性の関節や筋肉の痛み
慢性の痛みとは、関節や筋肉、すじの炎症が長く治らないために、痛みが長く続いてなかなか治りにくいのです。
何故かというと慢性の痛みを持っている人の大部分は、全身状態が良くありません。要するに血流が良くないので、炎症が起きている部分に十分な血液が行き渡らないために、栄養が行き届かないのです。
ですから、血管(毛細血管も含めて)の状態を改善し、血液の質も良質なものに変えることで「通り道」の血管と血液を良くすれば、体の隅々まで栄養がいき渡り、酸素も十分に供給されて細胞が活性化されます。
すると新陳代謝が活発になって、細胞単位で体の機能が良くなっていきますから、炎症が慢性化していた部分が改善されます。そのような理由で身体本来の機能改善することで、痛みを改善するのです。
「コンドロイチンやグルコサミンを摂取する」ということが、関節の痛みに対して対症療法なのに対して、「血液と血管を改善する」というのは全身の人が本来持っている機能をより活性化して炎症を治そうとするものなのです。
QOLを大事に
全身の状態を良好な状態に保つことは、歩いたりする行動も無理なく行えますから、肥満にもなりにくくロコモにもなりません。脳の状態も血液が十分に供給されていれば、いつまでもぼけることなく自分の生活を自分自身の考えで責任を持って続けていく事ができます。
うんざりするような慢性の痛みに悩まされることなく、元気に行動して生活を充実したものに保つためには、身体のすみずみまで健康に保つためには、血液が健全であることと血管が若々しく保たれていることが欠かせません。