ホモシステインてなんだ?動脈硬化との関わり
よく言われますが、
血中ホモシステイン値が高いと動脈硬化になりやすい
とか
葉酸不足だとホモシステイン値が上がり心疾患になりやすい
とか言われます。ここではホモシステインと、疾患にいたるメカニズムを見てみました。
ホモシステインという物質てなんだろう?
この物質は血中に存在するアミノ酸の一種類です。必須アミノ酸のメチオニンを代謝していく途中で産生される中間代謝物で、
ホモシステインからはメチオニンが再生産されたり、美白に関与するシステインやエネルギー産生に関わる物質になったりします。
けれども1969年ボストンの医師が先天的に血中ホモシステインが高濃度の患者は若年でも動脈硬化や血栓性の病変があることを、発見してから多くの学者が研究しホモシステインが心疾患の危険因子の一つであることが判りました。
文部科学省の大規模研究でも血清ホモシステイン値が高い人は循環器疾患による死亡率が高くなるリスクがあると判明しました。(基準値は3.7~13.5umol/L)
ホモシステインを代謝する物質
代謝を促進するのは
ビタミンの「葉酸」と「VB12・B6」
と言われているので、しっかり摂りましょう。
なぜホモシステインが循環器疾患にかかわるか
それはズバリホモシステイン高値がコラーゲンの劣化を引き起こすからです。お肌の老化もこれが関係しています。
コラーゲンは複雑にアミノ酸が結合した物質で、ホモシステインが多いと結合を弱めて弾力を失い硬くなります。
血管がやられると動脈硬化、肌がやられればシワ・たるみ・つやの喪失、歯肉がやられれば歯周病で骨粗しょう症の原因にもなると報告されていて、要するに身体中にガタがくる訳です。
コラーゲンの質の低下は2種類ある
質を問われるコラーゲンですが、どんどん劣化していく過程を知りましょう。
①酸化+糖化
ホモシステイン自身が酸化して酸化ストレスが高まり、結果糖とタンパク質 が結合した糖化最終産物AGEs(分解、代謝されにくい最悪の物質)が できやすくなり、
それがコラーゲン分子のつながりを過剰にして本来のしなやかさ弾力を奪い取るのです。
②コラーゲン分子結合酵素(LOX)の低下
コラーゲンはLOXという酵素がコラーゲン分子を綺麗に整然とした配列にしてしなやかで強度のある構造になっています。
ところがホモシステインが多量になるとLOX濃度が落ちて、まっとうなコラーゲンができなくなり劣化すると考えられています。
コラーゲンの劣化を防ぐ
大切なコラーゲンの質を落とさないためにすることは、ホモシステインを
・とにかく代謝させる葉酸・VB12・VB6を十分摂ること
・とにかく酸化ストレスを抑えるVCなどの抗酸化物質を摂ること
さらに、これも大事ですが、
・最悪物質AGEsを造らないために血糖値を上げない糖質制限を心がける
これらのことを日常食生活にてこころすべきですよ。
近年、アルツハイマーの原因物質のひとつがAGEsだと考えられているのですから。糖尿病などもってのほかなわけがコラーゲンを通じても理解できると思います。
腸ををととのえろ
「整腸」普段良く聞きますね、なぜ腸内環境を整えるのが大事なのかといえば、
腸内細菌は葉酸やVB6・VB12等のビタミンを作れるのです。
そして栄養は腸から吸収されるし、免疫にも深く関わっているのです。